ST Life.augmented

FD-SOI

FD-SOI

過去数十年間、電子機器の基本要素であるトランジスタは、高性能化と低消費電力化に向けた継続的な微細化が進み、その結果、より高性能なデジタル機器と優れたユーザ体験を実現してきました。

近年のトランジスタの微細化が、数十ナノメータ・クラス以下のサイズまで進む中、次世代技術において新たな課題が増加しています。リーク電流は基本的な課題の1つであり、現在、トランジスタの消費電力の大部分をリーク電流が占めるようになってきています。

バルク・シリコンの限界

高い性能を維持しつつ、リーク電流を最小限にするため、バルクシリコン型トランジスタのプロセス構造はこれまで以上に複雑化し、製造面での課題の難易度はこれまでにないペースで高まっています。技術進化によるメリットを完全に享受するため、革新的なソリューションを継続的に探求していく必要があります。

FD-SOIのイノベーション

2012年、STは複数のパートナーと共に、完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ(FD-SOI)のシリコン・プロセス技術の新たなイノベーションを発表しました。FD-SOIは、シリコン形状の微細化によるメリットを生かすと同時に、製造プロセスを簡略化できるプレーナ型プロセス技術です。

Gate Handle Wafer
FD-SOIは、超薄型チャネルと、その直下の超薄膜絶縁層(埋め込み酸化膜)という2つの主要イノベーションを特徴としています。このチャネルは、不純物(ドーパント)を含有せず、完全な空乏層を形成する点で、従来のプロセスにある伝導チャネルとは異なります。この2種類の革新的技術の組み合わせはUTBB(ultra-thin body and buried oxide)と呼ばれます。

高性能なFD-SOI

FD-SOIトランジスタは、バルクCMOSを使用して製造した同等のトランジスタに比べ、最大動作周波数を30%高めることができるため、より高速なプロセッサの製造が可能になります。この性能は、トランジスタの静電特性の改良とチャネル長の短縮により実現されています。さらに、超薄膜絶縁層により、シリコン基板内でのリーク電流の発生を防ぐことができるため、効果的なボディバイアスが可能になり、上部ゲートと埋め込みゲートの独立した2つのゲートによる理想的なチャネル制御を提供します。

 

 

低発熱なFD-SOI

低電圧で極めて高速に動作するFD-SOIトランジスタは、非常に高いエネルギー効率を特徴としています。ソースからドレインに流れる電子が、埋め込み酸化膜によって効率的に閉じ込められることで、チャネルからシリコン基板への不要なリーク電流が大幅に減少します。FD-SOIは、消費電力の低減において大きな効果を発揮し、バルクシリコンと比べ、温度上昇の少ない低発熱な製品を実現します。

シンプルなFD-SOI

FD-SOIの製造プロセスは、その代替プロセスと比較するとはるかにシンプルで、既存の製造設備とプロセスを幅広く活用することができるため、高額な新規投資が不要です。

さらに、プレーナ型技術であるFD-SOIは、プレーナ型バルク技術と同じ設計ルールを使用することができ、既存の設計を極めて容易かつ短時間でFD-SOIに移植することができます。

スケーラブルなFD-SOI

現在、28nmプレーナ型UTBB FD-SOIテクノロジーが利用可能です。既に14nmノードも開発中で、10nmノードまでの小型化が可能であることが実証されています。

 

Feedback Form
Customer Feedback