How to build an Adaptive Front Lighting Solution in 3 steps

アダプティブ・フロント・ライト・システム(AFS)は、 暗い環境下でもドライバの視界を向上させる車載用ライト・テクノロジーです。AFSは、センサを使用して前方の道路上にある他の車両、歩行者、および障害物を検知します。その後、ヘッドライトの角度と強度を調整し、 ドライバに最適な照明を提供します

アダプティブ・ヘッドライトの安全性

STマイクロエレクトロニクスの自動車へのアプローチはシンプルです。常に、より良く、より安全に、よりアクセスしやすくすることを目指しています。

それはアダプティブ・ヘッドライトでも同様です。アダプティブ・ヘッドライトは、車両の動きに合わせて水平 / 垂直に旋回します。車両が右方向に曲がると、ヘッドライトも右に曲がってその先の道路をより明るく照らします。本ライト・システムは、ハンドル操作内部システムと車両のスピードから手がかりを得ます。

たとえば、照明の少ない田舎や郊外の地域を運転している場合、STのシステムは追加の照明を提供して視認性を高めます

米国道路安全保険協会(IIHS)によると、アダプティブ・ライト・システムで反射率の低い物体をドライバが1/3秒早くまたは30mph(50km/時)で約15フィート(4.6m)早く検出することができれば、追突による破損や怪我を著しく減らせるとのことです。

 

アダプティブ・ヘッドライトは、2004年に市販車両に初めて搭載されました。しかし、2016年のIIHSの調査によると、当時提供されていたほとんどのヘッドライト・システムは改良が必要でした。自動車メーカーのなかには、アダプティブ・ライトをまったく扱っていない会社や、本機能を数台の車種にしか載せていない会社もあります。

アダプティブ・フロント・ライト・システムは、安全性が高いにもかかわらず、解消すべきエンジニアリング上の複雑な問題もあるため、あまり人気がありません。ライトを適時旋回させる方法を決める適切なアルゴリズムを開発するだけでなく、複雑なアクチュエート機構やセンシング機構も設計しなければなりません。

STのアダプティブ・フロント・ライト・ソリューションは、車両のフロント・ライト・システムを構築する際に開発者やエンジニアを支援するよう設計されたボード、キット、ソフトウェアで構成されています。

STマイクロエレクトロニクスのソリューション

そのためSTのソリューションは、最終的な設計に至るまでの直線的な道筋を提供することができるという点が特徴です。小規模なスタートアップ企業から最上位のメーカーに至るまで、複数世代の車両に対応したシステムの規格を計画している企業が、STのアプローチからどんなメリットを受けているのかを見ていきましょう。

ステップ1:コンポーネントの調達で時間を浪費する代わりに総合的なプラットフォームの構築に焦点をあてる

STのプラットフォームの中心には、SPC58EC Chorus車載用マイクロコントローラを搭載した開発ボード、AEK-MCU-C4MLIT1があります。アダプティブ・ヘッドライト・システムは、少ない演算処理能力でマイクロコントローラ(MCU)上で簡単に動作させることができます

32bit SPC58ECマイクロコントローラの仕様:

  • 2つの汎用コアe200z420 @ 180 MHz
  • 専用のe200z0コアとEvita-Medium認証ソフトウェアを内蔵したハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)
  • 4MBのFlashメモリ
  • CAN FDやEthernetといった高度なペリフェラル通信
  • AEC-Q100認定済み、ASIL-B

たとえば、STのアプリケーションでは1つのコアと1MB弱のFlashメモリしか使用しません。それでもSTのソリューションは高度にモジュール化されているため、開発者は最適化や性能の問題を心配することなく、多くの余裕を得たり即座に実験を行ったりすることができます。

ステップ2で説明するように、SPC5の低電力バージョンへの切替えも非常に簡単です。

AEK-MCU-C4MLIT1は、ホスト・マイクロコントローラとの通信にSPIインタフェースを使用して高輝度LEDドライバ・ボードであるAEK-LED-21DISM1のベースの役割を果たします。

STでは、ヘッドライトを動かすために、STのプログラム可能なL99SM81Vステッピング・モータ・ドライバを搭載した評価ボード、AEK-MOT-SM81M1を提供しています。また、冷却ファンの負荷を管理するために、STのVIPower™ M0-7テクノロジーを使用するシングルチャネル・ハイサイド・ドライバを内蔵したEV-VN7050ASを提供しています。

さらに、ワイヤごとに接続しなくてもすべてを簡単に接続でき、ピンに焦点を当てたより実践的なアプローチを実現するAEK-CON-AFLVIP2と、メーカーが独自のコネクタとプロトコルを使用して自社の設計をテストできるAEK-CON-5SLOTS1も提供しています。

 

STでは、これらのボードをAEKD-AFL001キット内にまとめました。AEKD-AFLPANEL1は、プレキシガラス・パネル状にこれらを搭載しているためさらに便利である一方、AEKD-AFLLIGHT1は車両のヘッドライトをシミュレーションします。

これまでメーカーは複数のベンダから材料を調達しなければなりませんでしたが、STでは、実証テスト、試作、開発、コンポーネント認証をすべてサポートする総合プラットフォームを提供しています。これらのバンドルは、上記すべての開発ボードを活用するSTのAutoDevKitアダプティブ・フロント・ライト・ソフトウェアと連携することができます。

さらなる改良を促すため、STは、開発者がより素早くコードを記述できるAutoDevKitライブラリを使用したりさまざまなAPIを呼び出せたりするSPC5-STUDIO向けEclipseプラグイン、STSW-AUTODEVKITも提供しています。このプラグインはAPIと連携し、アダプティブ・フロント・ライト・アプリケーション用のソース・コードを提供しています。

ステップ2:ピンやインタフェースをセットアップすることなくハードウェアを組み立てる

STのアダプティブ・フロント・ライト・ソリューションはモジュール式です。たとえば、デフォルトの設定では、X軸用とY軸用に1つずつ、計2つのST製ステッピング・モータ・ドライバを使用します。しかし、あと2つドライバを追加して、同一コンポーネントのインスタンスを2つ作成することもできます。ソフトウェアは、この新しい設定に自動的に適応します。

AEKD-AFL001キットに含まれるすべてのボード

同様に、現在のSPC58ECの代わりに、1MBのFlashメモリと1つのコアを搭載したSPC582B Chorusファミリを備えたマイクロコントローラ・ボードを選択して、よりエネルギー使用に配慮し、コストが最適化されたシステムを提案することも可能です。STの特殊ドライバのおかげで、このレベルの高いモジュール性も実現可能です。

本ドライバは、コンポーネントを互いに独立させられる一定レベルの抽象化機能を提供します。つまり、たとえば、別の製品の代わりにSPC5を使用すれば、システムが自動的にピンとインタフェースを設定してくれるので、開発者の仕事を大幅に簡略化することができます。

この高いモジュール性から、STのソリューションはリファレンス設計でも最適化されたPCB設計でもないということが言えます。単に最終設計にキットを入れるだけではありません。車両の仕様はメーカーごとに、または車種ごとにすら大きく異なっており、各地域で多くの規制に対応しなければならないため、あらかじめ設定済みの設計では意味がありません。

STでは、メーカーが自社のニーズに素早く適応できる柔軟性の高い開発プラットフォームを提供しており、こうしたプラットフォームの方がはるかに有用です。STのキットは、デモンストレーション・プラットフォームです。そのため、特にヘッドライトは必要以上に広い角度を移動することができます。

STのアダプティブ・ヘッドライト・システムの強みは、使用可能なドライバによりエンジニアはハードウェアに集中できる(その設定作業ではなく)ことから、試作段階を大幅に短縮できることです。

ステップ3:スパゲティ・コードではなく機能そのものに取り組む

アダプティブ・フロント・ライト・システムはAutoDevKitによるメリットも受けています。エンジニアがライブラリを参照する際、APIは明快な動きをします。たとえば、ライトをオン / オフするには、開発者がmain() プログラム内で関数を呼び出す必要があります。

しかし、その裏では、STにより、マイクロコントローラとLEDドライバの間の通信をモニタする必須の安全機能が実装されています。ウォッチドッグは、2つのコンポーネントが常時通信を行えているかをチェックします。不具合が発生すると、車両は、「エンジン確認」ライトをオンにする「リンプ・モード」に入り、多くの場合、ギアを1に切り替えて動作スピードを落とし、ドライバが道路の脇にゆっくり停車したり、近くのガレージまで運転したりできるようにします。

STのAPIを使うことで多くの複雑な点が解消されるため、こうした重要な機能について心配することなく試作品を素早く作成することが可能になります。

本デモンストレーション・アプリケーション・ソフトウェアには、事前設定に従って点灯する自動モードと、ポテンショメータによりヘッドライトの動きとハンドル操作をリンクさせる手動モードがあります。

AutoDevKit

機能デモを行う際に、STのAPIを使用できます。ただし、エンジニアがラボに戻った後は、ソース・コードを見ることでAPIを教材ツールとしても使用できます。そのため、STのアダプティブ・フロント・ライト・ソリューションを使用する企業は、ハードウェア、ドライバ、AutoDevKitライブラリに加え、開発時間を短縮し、市場の規制要件に対応できるようにする教材ツールも手に入れることになります。

STのアダプティブ・フロント・ライト・ソリューションを使いこなせば、緊急車両の上部の回転式ライトやオフロード車両や農業用トラクタのライトなど、他のさまざまなアプリケーションにもソリューションを移植することが可能になります。