今日の高速通信インタフェースは、差動モードで構築されています。(図1 参照)
データ伝送を高速化するための最初のアプローチは、信号振幅を小さくすることです。信号振幅が小さくなるにつれて、シングルエンド伝送のノイズ感度は大きくなります。 しかし、差動伝送では1対の電線を使用して、同一振幅の信号を逆相(D+、D-)で送信し差分を受信します。この伝送方式では、接地による効果に比べてノイズへの感度が下がります。また、2本の電線の周辺にある磁界がお互いにキャンセルされ、不要輻射が低減します。そのため、差動伝送モードは、ほとんどの高速データ伝送アプリケーションで使用されています。




図1: シングルエンド伝送と差動伝送の比較
MIPI DSI®やCSI®、HDMI TMDS®ライン、またはUSB® SuperSpeedなどの高速データラインに対して、STは、広範囲な周波数帯域(700MHz LTE®、2.4GHz Bluetooth®、2.4GHzおよび5GHz Wi-Fiなど)を強く減衰するよう設計された、ESDプロテクションを組み込んだ豊富な種類のコモン・モード・フィルタを開発しています。
STのコモン・モード・フィルタは、高速差動リンクによってRFアンテナの周波数で輻射ノイズが発生するアプリケーションにおいて、RFアンテナ感度劣化の対策部品として設計されています。RFレシーバが高速差動データラインと共存するアプリケーションに最適です。
保護機能を内蔵した、STのコモン・モード・フィルタのメリット:
- デュアル・クランピング構造(ESDダイオードとインダクタンスの直列抵抗)によりESDクランプ機能が向上
- 有用なアンテナ帯域幅におけるコモン・モード・ノイズを低減することでレシーバの感度を向上
- ESDプロテクション・ダイオードとコモン・モード・フィルタの両方を集積することでスペースとBOMを削減
コモン・モード・ノイズにさらされると、高速差動ラインで、不要な輻射ノイズが発生します。コモン・モード・フィルタは、近隣の他のRF信号からの輻射ノイズや干渉から、差動ラインを守ります。

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