ソリューション概要
SL-IPFC01V1は、インタリーブ型CCMブースト力率改善回路(PFC)で最大3チャネルを駆動可能なPFCコントローラIC「STNRGPF01」をベースとする、3kWインタリーブ型PFCソリューションです。
STNRGPF01は、固定周波数の連続導通モード(CCM)にミックスド・シグナル(アナログ / デジタル)の平均電流モード制御を実装します。アナログ・セクションでは、サイクルごとの電流制御により最大限の応答性を実現します。一方、タイム・クリティカルでない動作に対するデジタル制御では、さまざまなアプリケーションに合わせてデバイスを設定できる柔軟性を備えています。
STNRGPF01には、プログラム可能なソフト・スタート、軽負荷時のバースト・モード、自動チャネル電流バランス、負荷電流および入力電圧のフィード・フォワード、柔軟な位相シェディング管理、冷却システム管理など、さまざまな機能が搭載されています。
パワー段では、低ゲート電荷を特徴とするNチャネル・パワーMOSFET「STW40N60M2」をブースト・スイッチとして使用することで、高速スイッチング周波数の要件に対応可能です。 STW40N60M2は、MDmesh™ M2技術をベースとし、低オン抵抗を特徴とします。また、導通損失の低減と優れた出力静電容量(Coss)プロファイルにより、スイッチング損失の低減と軽負荷時の効率性向上に貢献します。また、高周波の連続導通モード(CCM)におけるPFC動作では、ブースト・ダイオードを使用することで電力損失を大幅に低減することができます。650V SiC(シリコン・カーバイド)パワー・ショットキー・ダイオード「STPSC12065」は、きわめて小さい逆回復電荷量(Qrr)と温度の影響を受けず最小限に抑制された静電容量のターンオフ時動作により、ファスト・リカバリを実現します。
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搭載製品の特徴
STNRGPF01 PFCコントローラIC
STNRGPF01は、高出力アプリケーション向けのインタリーブ型PFCブースト・トポロジに最適な特定用途向けICです。高電力密度設計におけるIEC 61000-3-2規格への準拠に対応し、優れた出力電圧制御と効率曲線の安定化により、高力率と超低THDを実現します。ミックスド・シグナル(アナログ / デジタル)アーキテクチャをベースとするアプリケーションにおいて、平均電流モード制御を使用して固定周波数の連続導通モード(CCM)で動作します。
STW40N60M2 Nチャネル・パワーMOSFET
MDmesh™ M2技術が採用されたNチャネル・パワーMOSFET「STW40N60M2」は、低オン抵抗と最適化されたスイッチング特性により、高効率の変換を実現します。
SiCダイオード STPSC12065
STPSC12065は、ハード・スイッチング条件下での電源回路の特性を向上させ、PFC回路を搭載する電源回路に最適なSiCダイオードです。順方向のサージ電流耐性が高いことにより、過渡状態における堅牢性に優れています。
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All Features
- 入力電圧範囲: 90VAC~265VAC
- ライン周波数範囲: 47Hz~63Hz
- 最大出力: 230VACで3kW
- 出力電圧: 400V
- ピーク効率: >97.5%
- 力率: > 0.98(20%負荷時)
- 全高調波歪(THD): <5%(20%負荷時)
- ミックスド・シグナルの平均電流モード制御 / 固定周波数の連続導通モード(CCM)動作
- スイッチング周波数:111kHz
- サイクルごとの制御(アナログ電流制御ループ)
- 入力電圧および負荷のフィード・フォワード
- 位相シェディング
- バースト・モード動作
- 過電圧保護
- 過熱保護