AI搭載の車載用マイクロコントローラ
「Stellar P3Eは、高性能リアルタイム制御とエッジAIを、車載用の最高安全レベルを満たす単一のデバイスに集積化することで、自動車の電動化における新たな基準を確立します。このイノベーションによってSTのお客様は、次世代電気自動車向けにより安全、よりスマート、より効率的なX-in-1ソリューションを実現できます。」
STマイクロエレクトロニクス、汎用および車載用マイコン担当ジェネラル・マネージャ、Luca Rodeschini
自動車・モビリティが高度に統合されたパワートレイン・アーキテクチャに移行し、ハイブリッド車や電気自動車ではエンジン制御、インバータ、オンボード・チャージャ(OBC)、DC-DCコンバータが1つのシステムに統合されるようになる中、マイクロコントローラはより多くの機能を集約することが求められています。さらに、これらのシステムは、実装面積を増やさずに、より高度なインテリジェンスを提供する必要があります。
上記の要件に対応するStellar P3Eの堅牢な機能
上記の要件に対応するStellar P3Eの堅牢な機能
- ハードウェア分離による安全なコンピューティング:セーフティクリティカルな機能を一切の妥協なく実行します。
- 拡張性に優れたxMemory:相変化メモリ(PCM)技術が、従来の組み込みFlashメモリの最大2倍の密度を提供し、ソフトウェア定義型自動車(SDV)のイノベーションを支えます。
- 組み込みAIアクセラレーション:専用のNeural-ARTTMアクセラレータがAIの推論ワークロードをメイン・コアからオフロードすることで、リアルタイムの動作と機能安全を確保します。
- スマートなパワー・マネージメント:高度な電源機能が車載システム全体の効率を向上します。
パワートレインのインテリジェンスを再定義するStellar P3E
Stellar P3Eは、シリコンに直接組み込まれた専用のニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)「ST Neural-ART™アクセラレータ」を搭載し、「スマート」仮想センサとして機能する瞬時のAI推論を可能にすることで、リアクティブ制御から適応制御に転換し、追加のハードウェア不要でパワートレイン制御の性能と信頼性の向上を実現します。このNPUは、AIワークロードをメイン・プロセッシング・コアからオフロードすることで、リアルタイム動作や機能安全を損なうことなく、推論の実行を20倍以上高速化し、1ミリ秒もかけずに完了します。
Stellar P3Eは、高性能Arm® Cortex®-R52+プロセッサのマルチコア・クラスタとハードウェア仮想化を組み合わせることで、ソフトウェア機能間の干渉を排除し、ワークロードのより効率的な統合を可能にします。このアーキテクチャにより応答性を向上させ、最新の車載システムにおけるより安全で決定論的な動作を支援します。
ソフトウェア定義型自動車(SDV)時代では、メモリはイノベーションの重要な原動力です。Stellar P3Eは、拡張性に優れた相変化メモリ(PCM)技術に基づくxMemoryを搭載し、従来の組み込みFlashメモリに比べて最大2倍の密度を提供します。これによって堅牢な車載用グレードの性能と、車両の運用寿命の全期間にわたって続くソフトウェア機能の進化に対応するための十分な容量が確保されます。
「新しい相変化メモリ(PCM)FlashテクノロジーやエッジAI用のNeural-ARTのような高度な機能を実現したStellar P3Eは、新エネルギー車アプリケーションで高まる要求を満たすのに最適な、卓越した車載マイクロコントローラです。」
Dr. Octopus社、インテリジェント・テクノロジー担当ジェネラル・マネージャ、Zhang JianBiao氏
AIがECUの奥深くに搭載される理由
最新のパワートレイン・アーキテクチャは、高性能のリアルタイム・インテリジェンスを必要とします。NPUアクセラレータを搭載したStellar P3Eは、複雑なマルチセンサ・データをアクチュエーション・レベルで直接処理します。そのため、バッテリ・システムや燃焼システムの予知保全や異常検出などの機能を実現し、潜在的な故障を発生前に特定できます。さらに、仮想センシングにより、アクセスできない場所(エンジン・ブロック内部など)の物理センサをエミュレートして、新たな洞察を提供することもできます。このソフトウェア主導のアプローチは、リアルタイム動作や安全性を損なうことなく、ハードウェアと複雑さを軽減し、信頼性、効率、航続距離の向上を実現します。
NPU上で動作する高い忠実度のAIモデルが、物理位置センサを置き換え、温度センサの機能をエミュレートします。
これがシステムの信頼性を飛躍的に高めるとともに、BOMコストの削減や車両の軽量化をもたらします。
システムが信号の発生源直近で検出結果や電流特性を解析して異常を検知します。
ベアリングの摩耗、陽極酸化、不規則な温度変化などを、重大な故障に発展する何か月も前に察知できます。
NPUが複雑な行列計算をオフロードすることで、性能の向上、消費電力の低減、CPUのヘッドルーム拡大を実現します。
これがスイッチング周波数のリアルタイム最適化を可能にし、その効率向上は電気自動車(EV)の航続距離延長に直接寄与します。
AI、コンピューティング、安全性をワンチップ化したマイコン
- 500MHz Arm® Cortex®‑R52+によるリアルタイム・コンピューティング
- 安全性と性能の最大化を両立させるスプリット・ロック機能
- 従来のスタンバイ・モードを超える新しいスマート低消費電力モード
Stellar P3E:最新車両アーキテクチャの進化を促進
Stellar P3Eは、自動車業界全体における高度な統合と効率の最大化という複雑な課題を解決できるように設計されています。P3Eは、内燃機関(ICE)の最適化からハイブリッドへの移行、電気自動車(EV)プラットフォーム全体への電力供給まで、複数のECUを1つの合理的なソリューションに統合します。スマート・センシングと高性能処理を可能にすることで、次世代の最新車両アーキテクチャに必要なインテリジェンスを提供します。
- 電力、エンジン管理、バッテリ制御を1つのECUに統合
- インバータ、デジタル電源、複雑なエンジン / トランスミッション制御ユニットを統合
- ケーブルの重量、BOMコスト、システムの複雑さを削減
- デュアルアクスルEVまたはICEと電気のハイブリッドへの移行のための高度な同期
- ジッタのない瞬時の信号制御と優れたリアルタイム性能を実現する10個の統合タイマ・モジュール
- 100ch以上のADC / PWM信号を同期させて、フロント・アクスルとリア・アクスルまたはハイブリッド・トルク配分を並列制御
Stellar P3EはStellar Pシリーズの重要な新製品です。
Stellar P3EはStellar Pシリーズの重要な新製品です。
Stellar P3Eは単なる進化にとどまらず、ミッションクリティカルな安全性と組み込みAIのギャップを埋めることで、マイクロコントローラの新たなカテゴリを定義します。現行のStellarポートフォリオとのシームレスな互換性を維持しながら、より高性能でスマートなモータ制御を実現します。
開発を迅速化するエッジAIとツール
Stellar P3Eは、データ・サイエンティストと組み込みエンジニアを1つのフローで結び付ける包括的なツールチェーン「ST Edge AI Suite」によって支えられています。
ソフトウェア & ツールチェーン
- STの総合的な自動車開発環境「Stellar Studio」で完全にサポート
- AUTOSAR MCALドライバなどの車載ソフトウェア・ソリューション
今すぐ始める
Stellar P3Eは現在、サンプル出荷中です。サンプルを請求し、設計の評価を開始するには、STのセールス・オフィスまでお問い合わせください。
完全な車載用認定と量産開始は2026年下半期の予定です。