アプローチ
エッジAIセンシング・キットの導入当初の目的は、組み込みビジョン・インテリジェンスの能力を示すことで、その際に、スマート輸送の説得力のある例として車両と人の検出機能を利用しました。初期のデモでは、都市環境での人、車、トラック、バス、自転車のリアルタイムでの検出に重点を置いていましたが、基礎となるエッジAIビジョン・テクノロジーは汎用性に優れています。その能力は、輸送の分野をはるかに超えて、スマート・ホーム、スマート・シティ、在室監視、さらには幅広い状況認識オートメーション・システムにも応用できます。
- エッジAIセンシング・プラットフォーム・ディスカバリ・キットでは、リアルタイムの物体検出と計数モデルのすべてをSTM32N6マイコン上で実行します。主なメリット:
- 在庫をリアルタイムで即座に可視化する、低遅延性能(Typ. 200ms未満)
- クラウド・サーバに依存しない完全なエッジ処理
- さまざまな照明や配置状態で複数の製品の種類を検出できるように学習したAIモデルによる正確性の向上
- 消費エネルギーの制約に抵触せずに連続監視を可能とする超低消費電力
- クラウド・サーバ、定期的なデータのコスト、タグ付けインフラの追加などを必要としない低運用コスト
アプリケーションの概要
5メガピクセルのカメラが高解像度の画像を取得し、それをイメージ・シグナル・プロセッサ(ISP)サブシステムが処理します。縮小された 256×256 フレームはニューラル処理ユニット (Neural-ART Accelerator) に送信され、都市環境における人、車、トラック、バス、自転車をリアルタイムで検出します。256 x 256にリサイズされた画像が、NPU(Neural-ARTアクセラレータ)に送られ、都市環境における人、車、トラック、バス、自転車をリアルタイムで検出します。バウンディング・ボックスの後処理により、果物を種類ごとに数え、果物に対する処置を検出します。イベントはイベント・コントローラによって管理され、タイムスタンプを付けて記録されます。これと並行して、ISPによって960 x 960の画像が生成され、これがH.264エンコーダによってビデオ・エンコーディングされたうえで、USBまたはWi-Fiを介してストリーム送信されます。リモート監視のためのテレメトリは、IoTコントローラが処理します。
センサ
この実物大模型に使われているセンサは、Sony IMX335 5MP RGBです。
- 入力:2592 x 1944
- IPSサイズ変換:960 x 960
- フレーム・レート:15FPS
アプリケーション固有の要件を満たせるように、E2IP社は各種センサを搭載したその他の拡張ボードを提供できます。
e2ip社およびSiana Systems社は、迅速な試作開発により、本格的な生産と展開の前に、ソリューションのすばやい実地試験を可能にします。STM32N6および幅広いST開発エコシステム(Model ZooからSTM32Cube.AIまで)とのシームレスな統合を通じてカスタムのモデル展開を行うことで、エッジAIセンシング・キットは、エッジAIアプリケーションの開発プロセス全体を合理化します。
データセットとモデル
データセット:
- Coco80
モデル:
- YOLOv8-nano
- 入力サイズ:256 x 256 x 3
- 学習可能パラメータ:3,031,321
- MACC:6.73E+08
結果
推論時間:41ms
1秒あたりの推論回数:24
執筆:E2IP Technologies & Siana Systems | 最終更新:2025年6月
リソース
STM32Cube.AIで最適化
STM32Cubeの無料の拡張パッケージX-CUBE-AIを使用すると、ニューラル・ネットワークや機械学習モデルなどの学習済みAIアルゴリズムを、STM32用の最適化されたCコードに自動変換できます。
STM32N6シリーズに最適
Arm® Cortex®‑Mプロセッサをベースとする32bit汎用マイクロコントローラのSTM32ファミリは、より柔軟かつ自由なアプリケーション開発を実現します。高性能、リアルタイムの処理能力、デジタル信号処理(DSP)、低消費電力 / 低電圧動作、コネクティビティなどのさまざまな機能を集積した製品により、開発をサポートします。