STDRIVE102BH

概要

STDRIVE102BHおよびSTDRIVE102Hは、3相ブラシレス･モータの駆動に適した3相ハーフブリッジ･ゲート･ドライバです。

STDRIVE102BH/Hは、デバイスが非アクティブ時の消費電流を大幅に削減する非常に効率的なスタンバイ･モードを備えており、電動工具、掃除機、小型家電などのバッテリ駆動型モータ･ドライバ･アプリケーションに最適なソリューションです。

ゲート･ドライバは、プログラム可能なゲート電流により、6個の外部Nチャネル･パワーMOSFETを駆動するように設計されており、パワー･ステージの優れた性能を実現し、外部ゲート抵抗器不要でパワー出力のスルー･レートを調整できます。2本のアナログ･ピン（IGATEおよびTCC）により、ドライバのさまざまな構成を選択できます。

内蔵チャージ･ポンプは、3個のハイサイド･ドライバに電源を供給し、ハイサイドMOSFETのオン時間を無制限に維持できます。

内蔵の12V LDOリニア･レギュレータは、3個のローサイド･ドライバに電源を供給し、その出力はVCCピンで利用できるほか、外部負荷にも供給できます。

別のLDOリニア･レギュレータは、外部低電圧コンポーネントと内蔵アナログ･フロントエンド（AFE）用の電源として、VDDピンに3.3Vを供給します。デバイスの部品番号によって構成が異なり、STDRIVE102BHは3個のオペアンプと3個のコンパレータ、STDRIVE102Hは1個のオペアンプと2個のコンパレータを内蔵しています。一般的なアプリケーションでは、オペアンプを使用してシャント抵抗器の両端の電圧を監視することで、モータの各相に流れる電流をセンシングできます。同時に、コンパレータを使用して過電流状態を検出することもできます。

各電源（VCC、VDD、チャージ･ポンプ電圧）の低電圧ロックアウト（UVLO）、サーマル･シャットダウン、ハイサイドMOSFETおよびローサイドMOSFETのVDSモニタなどの包括的な保護機能を内蔵しており、アプリケーション全体の堅牢性を高めます。保護がトリガされると、nFAULTオープンドレイン･ピンがイベントを通知します。STDRIVE102BHは、ゲート･ドライバ電源VCCが規定値より低下しているかどうかを示す別の専用オープンドレイン･ピン（FLAG）を備えています。このデバイスは、異常検出イベントと実際の出力スイッチオフとの間の伝播遅延を最小限に抑えることにより、異常発生時にゲート･ドライバの出力を瞬時にオフにすることができるスマート･シャットダウン機能を搭載しています。

STDRIVE102BH/Hは、主電源ピン（VS）に加えて、専用のVMピンを備えています。これは、ハイサイドNチャネルMOSFETのドレインに対応して、モータ電源電圧に接続する必要があります。VMピンは、内蔵のVDS監視のほか、チャージ･ポンプの基準電圧にも使用されます。デバイスの柔軟性を高めるために、VSピンとVMピンは異なる電圧で動作可能です。