センサなし、速度ゼロでフル・トルクを達成
STM32G4マイクロコントローラ向けのソフトウェア・アルゴリズムのご紹介
ブラシレスDCおよび永久磁石同期モータでセンサレス・モータ制御を実現
FOC(フィールド指向制御)モードで稼働するPMSM / BLDCモータでは、センサがロータの位置を判別し、モータを適切に制御します。オブザーバ(状態推定)・アルゴリズムと呼ばれる専用アルゴリズムがセンサから処理を引継ぎ、いわゆるセンサレス・モードでモータを制御できます。これらのオブザーバ・アルゴリズムは高速で効果的に機能しますが、モータが低速または超低速で稼働している場合は効率も低くなります。
STM32 ZeST(速度ゼロ、フルトルク)を高感度オブザーバ(HSO)アルゴリズムと組み合わせて使用すると、速度ゼロから高速動作まで、あらゆるタイプのBLDCまたはPMSMモータをセンサレス・モードで制御することができます。STM32 ZeSTとHSOは2つのソフトウェア・アルゴリズムであり、モータを制御するためにセンサを追加する必要もなくなります。
STM32 ZeSTアルゴリズムは、現在特定のユーザのみ利用可能です。HSOアルゴリズムは、モータ制御ソフトウェア開発キット(SDK)の新しいv6.2リリースにて利用可能です。
STM32 ZeSTおよびHSOアルゴリズムの特徴
電動工具
電動自転車
生活家電
ガーデニング用具
スマート・ホーム
ポンプ
STM32 ZeSTおよびHSOアルゴリズムのパフォーマンスを評価
STM32 ZeSTおよびHSOアルゴリズムのパフォーマンスを評価し、開発の開始を加速するためのサポート・ハードウェアが利用可能です。
これらには、電源ボードのPWM信号を生成するB-G473E-ZEST1S制御ボードや、STEVAL-LVLP01などが含まれます。この電源ボードは、B-MOTOR-PMSMA1キットに含まれるような低消費電力 / 低電圧モータを駆動します。
制御ボードは、新しい埋込み式モータ制御コネクタV2を使用して電源ボードに接続します。
STM32 ZeSTなしで、HSOアルゴリズムをスタンドアロンで稼働すると、次のメリットを実現できます。
- 制御がまだ有効化されていないが、モータが外部アクションにより回転している場合は、監視段階でロータの速度と位置を推定することにより、以下が可能となります。
- 従来のセンサレス・ソリューションと比べ、より高いトルク性能
- 起動時のエンドユーザ体験の改善(逆起電力読み出しで中断なし)
- 省エネルギー(より低いピーク電流)
- 超低速度でも高性能
- ユーザ・フレンドリなインタフェースにより設定が容易
- STM32 ZeSTとHSOの間をシームレスに移行
- モータ制御ワークベンチ(MCWB)からサポートされるフィールド指向制御(FOC)および6ステップ
- 開発者がワークベンチで自分専用のボードと機能を使用し、設定することを可能にする自律性の向上
- モータ制御ワークベンチによる包括的なグラフィカル構成
- STM32シリーズの大半をサポート