24 Sep 2018 | Geneva, Switzerland, and Grenoble, France
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STマイクロエレクトロニクスとLeti、電力変換アプリケーション向けのGaN-on-Si技術を開発

  • パワーGaN-on-Siを採用した先進的なダイオードとトランジスタのアーキテクチャ開発および実用化で協力
  • IRT Nanoelecプログラムの成果を活用したプロセス技術を、Letiの研究開発用200mmウェハ・ラインから、2020年までに稼動を予定しているSTの200mmウェハ・パイロット・ラインへ移管
Geneva, Switzerland, and Grenoble, France / 24 Sep 2018

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)と、CEA Tech(フランス原子力・代替エネルギー庁の技術研究拠点)の研究機関であるLetiは、パワー・スイッチング製品向けのGaN-on-Si(シリコン・ウェハ上に形成した窒化ガリウム)技術の実用化で協力することを発表しました。この技術は、ハイブリッド / 電気自動車の車載用オンボード・チャージャ、ワイヤレス充電、サーバなどを含む高効率・高電力アプリケーションに対するSTの取り組みを加速させます。

今回の協力では、200mmウェハをベースに、パワーGaN-on-Si技術を採用した先進的なダイオードとトランジスタのアーキテクチャ開発および検証を行います。調査会社のIHS Markit社によると、この市場は、2019年から2024年までの年間平均成長率が20%以上であると予測されています(1) 。STとLetiは、IRT Nanoelecのフレームワークを活用し、Letiの研究開発用ライン(200mm)でプロセス技術を開発しており、2019年に検証済みのサンプルを出荷する予定です。また、同時にSTは、GaN/Siのヘテロエピタキシャル成長を含む、認証された製造ラインをSTのツール工場(フランス)に設置し、2020年までに最初の生産を開始する予定です。

さらに、パワー・アプリケーションに向けたGaN-on-Si技術に将来性を見出しているLetiとSTは、高電力密度パワー・モジュールの組立てに必要なパッケージング技術を向上させる先進的な手法の評価も行っています。

STのオートモーティブ & ディスクリート・グループ 社長であるMarco Montiは、次のようにコメントしています。「STには、高品質かつ高信頼性の製品を量産してきた実績があります。ワイドバンド・ギャップ半導体の素晴らしい価値を認識し、CEA-Letiと協力してパワーGaN-on-Siの製造およびパッケージング技術に貢献することで、GaNとSiC(炭化ケイ素)の製品と技術においても業界で最も豊富なポートフォリオを実現しつつあります。」

Letiの最高経営責任者(CEO)であるEmmanuel Sabonnadiereは、次のようにコメントしています。「Letiのチームは、200mm汎用プラットフォームを活用して、GaN-on-Siパワー・エレクトロニクスに関するSTの戦略ロードマップをサポートしており、STのツール工場にあるGaN-on-Si専用製造ラインへの技術移管の準備が整っています。両チームが参加するこの共同開発は、IRT Nanoelecのフレームワーク・プログラムを通じて、必要とされる広範な専門技術を活用することにより、デバイス・レベルおよびシステム・レベルでのイノベーションを実現しています。」

注記
ワイドバンド・ギャップ半導体の材料であるGaNは、シリコンのような従来の半導体材料と比較すると、非常に高い電圧、周波数および温度で動作する特徴を持っています。STは、今回発表した技術のほか、SiCとRF GaNという2種類のワイドバンド・ギャップ技術の開発にも取り組んでいます。

STは、今回のCEA-Letiとの発表に加え、MACOM社のRFアプリケーションに向けたGaN-on-Siの開発も発表しています。この技術は、MACOM社の幅広いRFアプリケーションと、STの通信以外の用途に向けたものです。このRF GaN-on-Si技術と今回のパワーGaN-on-Si技術は、いずれもGaNを使用しているため混同しやすい一方、構造的に異なるアプローチを採用しているため、異なるアプリケーションにおけるメリットが得られます。例えば、パワーGaN-on-Si技術は、200mmウェハによる製造が最適ですが、RF GaN-on-Si技術は、現時点において150mmウェハでの製造が適しています。いずれのGaN技術も、スイッチング損失が低く、高周波のアプリケーションに適しています。

一方、高電圧で動作し、1700V以上の阻止電圧、1800Vを超えるアバランシェ定格に加え、低オン抵抗という特徴を有するSiCデバイスは、電力効率と熱性能に優れています。これらの特性により、SiCは電気自動車、太陽光発電システム用インバータ、溶接機器などのアプリケーションに最適です。

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2017年の売上は83.5億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。


Leti(フランス)について
CEA Techの技術研究機関であるLetiは、スマートかつセキュアで高電力効率の産業用ソリューションを可能にする小型化技術の世界的リーダーです。1967年に設立され、マイクロおよびナノテクノロジーのパイオニアで、差別化した応用ソリューションを、グローバル企業、中小企業およびスタートアップ企業に提供しています。また、センサからデータ処理、コンピューティング・ソリューションまで、多分野にわたるLetiのチームは、世界クラスの実証設備を活用して強固な専門性を提供しており、ヘルスケア、エネルギーおよびデジタル化といった重要な課題に取り組んでいます。1,900名以上のスタッフ、2,700件の特許ポートフォリオ、91,500平方フィート(約8,500平方メートル)のクリーンルーム、そして明確なIPポリシーを持つLetiは、グルノーブル(フランス)を拠点として、シリコンバレーと東京にオフィスを設置しています。また、60社ものスタートアップ企業を設立しているほか、カルノー機関(Carnot Institutes)ネットワークのメンバーです。

詳細については、www.leti-cea.comまたはwww.leti.fr/enをご覧いただくか、@CEA_Letiをフォローしてください。

CEA Techは、フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)の技術研究部門で、防衛、セキュリティ、核エネルギー、産業科学および基礎科学の技術調査などの分野において革新的な研究開発を行っており、Thomson Reuters社により、最も革新的な研究機関の世界第2位に選出されました。CEA Techは、イノベーション主導による独自の文化と卓越した専門性を活かし、産業分野向けの新技術の開発・普及に取り組み、ハイエンド製品の開発と競争力の実現に貢献します。

Nanoelec Research Technological Institute(IRT)について
Letiが主導するNanoelec Research Technological Institute(IRT)は、情報通信技術に加えて、とりわけマイクロ・ナノエレクトロニクス分野に注力した研究開発を行っています。グルノーブル(フランス)を拠点とするIRT Nanoelecは、この地域の実績のある革新的な開発エコシステムを活用して、将来のナノエレクトロニクスを牽引し、新製品の開発を加速させ、既存の技術についてIoTなどの新しい用途の発想を後押しするような新技術を開発します。IRT Nanoelecの研究開発は、3D集積化、シリコン・フォトニクス、パワー・デバイスなどの新技術が集積回路に及ぼす影響に関する早期の洞察を可能にします。詳細については、www.irtnanoelec.frをご覧ください。

また、IRT NanoelecはANR-10-AIRT-05の参照番号を持つ "Program Investissements d'Avenir"に基づき、フランス政府の援助を受けています。

*2018 年9月 24 日にジュネーブ(スイス)とグルノーブル(フランス)で発表されたプレスリリースの抄訳です。

 

(1) IHS Markit社調べ 2018年4月

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