Stellar統合マイクロコントローラ
車載アーキテクチャの複雑化に伴い、車載用マイクロコントローラ(マイコン)にはこれまで以上に高い機能が求められています。STの車載用32bitマイコンStellarは、次世代の車載アーキテクチャに対応した安全でセキュア、かつ確定性の高いソリューションを提供し、ドライブトレインや電動化統合向けのドメイン・コントローラ、ボディ制御と利便性向上アプリケーションを統合するためのドメイン / ゾーン・コントローラに最適な製品です。
Stellarは、同一のバックボーン・アーキテクチャをベースにした2つの製品シリーズで構成されています。両製品シリーズ共に、アプリケーション・ドメインに適合するようにカスタマイズし、次世代の自動車のニーズに対応した最適かつ合理的なソリューションを提供します。
- Stellar Pシリーズは、次世代のドライブトレイン、電動化ソリューション、およびドメイン指向のシステムを統合するという要求を満たすよう設計されており、強力なリアルタイム性能、安全性、および確定性を実現します。
- Stellar Gシリーズは、次世代のボディ統合やゾーン指向車載アーキテクチャにおける重要な課題に対応し、性能、安全性、電力効率に加えて、広範囲なコネクティビティと高度なセキュリティを実現しています。
不揮発性相変化メモリ(PCM)は1bit単位での上書きが可能で、ダウンタイムのないきわめて効率的なOTA(Over-The-Air)アップデートを実現し、安全性をサポートします。
革新的な車載用マイコンであるStellarは、不揮発性相変化メモリ(PCM)を搭載しています。Flashメモリと比較してきわめて高速の読み出し時間、および1bit単位での書き換えが可能です。
28nm FD-SOIテクノロジーで製造された高密度のPCMは、フルサイズのメモリ・アップデートでもダウンタイムなしでOTA(Over-The-Air)ソフトウェア・アップデートを行うことができます。また、複数のファームウェア・イメージを独自に管理することで、大幅なメモリ節約に貢献します。FD-SOIテクノロジーは、システムの消費電力をより適切に制御することができるため、環境負荷の軽減に貢献します。また、耐放射線性を備えているため、セーフティ・クリティカルなシステムの信頼性および可用性の向上にも貢献します。
STの組込みPCMテクノロジーは、堅牢な高温動作、書き換えサイクル、およびデータ保持用途の特に厳しい車載要件下で動作するように開発され、テストされています。ePCMの動作時最高接合温度は+165℃で、AEC-Q100グレード0の車載要件を満たしています。
安全性やセキュリティの仮想化など、複数のアプリケーションを搭載することができる確定性の高い高性能マイコン
Stellarは、拡張性に優れたコンピューティング・パワーで設計されているため、きわめて高い安全性と性能を実現しつつ、複数のソースをもつソフトウェアの同時かつ確定的な実行を大幅に簡略化します。また、ハードウェアの仮想化サポート、サービス品質設定、ペリフェラルに対するファイアウォール、インターコネクト・レベルでのリソース分離など、さまざまな機能をハードウェアで備えた最先端のプロセッサを搭載しています。これにより、複数のASIL安全レベルを同時にサポートしつつ、干渉を受けないソフトウェア機能のセキュアな区画化を実現することで、独立した複数のアプリケーション(仮想化ECU)を同一のマイコン内に共存させることが可能です。
Stellarは、高速化した組込みのハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)や、ASIL D暗号化機能を実行できる専用AES-light暗号化アクセラレータを備えており、EthernetやCANを介した暗号化された安全な通信を実現する優れたセキュリティ機能も提供します。
また、幅広いコネクティビティといった豊富な機能セットに加え、ドメイン・コントローラやゾーン・コントローラにおけるアーキテクチャの進化に対応し、将来の自動車の高帯域幅要件を満たす堅牢なルーティング機能を提供します。

注目ビデオ
First Automotive MCUs introducing Phase Change Memory (PCM)