アプリケーションの動作原理
分類はモータの振動の強度に基づいて行われます。振動の強度は、STWIN.boxボード上のISM330DHCX IMU(慣性測定ユニット)内の加速度センサで検出します。
アプローチ
振動はISM330DHCXの機械学習コア(MLC)の設定に基づいて、静止、低振動、高振動という3つの分類のいずれかとして識別されます。
加速度センサのデータ・レートは6667Hz、最大測定範囲は16gに設定します。
3つの分類は、ISM330DHCX MLCで実行されるデシジョン・ツリーで識別します。
センサ
ISM330DHCXは、機械学習コア、ステート・マシン、産業アプリケーション用デジタル出力を備えた慣性測定ユニット(IMU)です。
このセンサは、IoTなどによる産業用センシング・アプリケーション(状態監視/予知保全など)の試作や検証に威力を発揮する開発キットSTWIN.boxボードに実装されています。
データセットとモデル
データセット:静止、低振動、高振動の3分類
加速度センサのデータ・レートは6667Hz、最大測定範囲は16gに設定します。
モデル:3つの分類を均等に含む約740秒のデータセットによって学習済みです。
結果
得られるデシジョン・ツリー・モデルは、99.35%の正確度を示します。
このユースケースは、以下のリソースを使用して簡単に再現できます。
- ST AIoT Craftでユースケースを開きます。
- モータまたはポンプなど、他の機械で動作させるためにセンサ内AIの再学習を行えるように、プロジェクトを自分のワークスペースに複製します。
- この例を使用するには、ボードをファンの前面、つまり空気が送出される側にしっかりと固定する必要があります。正確な分類結果を得るには、ボードのボタンが外側を向くように(ファンの反対側を向くように)、USBポートが地面の方向を向くように配置します。
関連情報
執筆者:Michele FERRAINA | 最終更新日:2025年2月
リソース
ST AIoT Craftで最適化
ST AIoT Craftは、センサ内AIとSTの部品を使用してIoTソリューションを開発するツールです。ST MEMSセンサ内の機械学習コア内にプロファイルを判定するデシジョン・ツリー・アルゴリズムを構築し、センサ・ツー・クラウド・ソリューションを展開できます。
ISM330DHCXに最適
ISM330DHCXは、Industry 4.0アプリケーションに対応した高性能3軸デジタル加速度センサおよび3軸デジタル・ジャイロ・センサを備えたシステム・イン・パッケージ(SiP)です。 センサ内に機械学習アルゴリズムを組み込むためのMLC(機械学習コア)も搭載しています。