モータ性能を向上させるためのトルクとロータ温度の推定
AIを使用してトルクとロータ温度を外挿し、モータの性能を向上させる
人工知能(AI)は、様々な分野の効率向上に貢献するだけでなく、新しい機能も実現しています。その1つが、値を推定することでハードウェア部品を追加することなく性能を向上させる、外挿の機能です。 トルクとロータ温度を推定する強力な機能が実現されれば、モータ生産に必要な材料が減るとともに、モータ制御方式の効率が改善され、モータを常に最大能力で動作させることができるようになります。
アプローチ
このユースケースは Kaggle社のデータセット「 Electric Motor Temperature(電動モータ温度)」に基づいています。
目標は、入手可能な情報(モータ速度、冷却液の温度、電圧など)だけでトルクとロータ温度を推定することです。
2つのサブデータセットを作成しました。一方は、トルクの推定、もう一方はロータ温度の推定に使用します。
次に、 NanoEdge AI Studioを使用して、上記の入力からトルクとロータ温度を推定できる外挿プロジェクトを2つ作成しました。
センサ
データ
信号長10(マルチセンサー)
データレート2 Hz
結果
トルクの外挿(左):
精度:98.77%、使用RAM:0.1KB、使用Flashメモリ:0.3KB
ロータ温度の外挿(右):
精度:98.81%、使用RAM:0.1KB、使用Flashメモリ:0.3KB
モデル作成ツール NanoEdge AI Studio
要件に合った最適なAIモデルを簡単に見つけられるようユーザをステップ・バイ・ステップでガイドし、組込みプロジェクトにAIを追加できる無償のAuto MLソフトウェアです。
対応製品 STM32マイコン
Arm® Cortex®-Mベース32bitマイコンのSTM32ファミリは、マイコン・ユーザに高いレベルの自由を提供します。完全統合性および開発の容易さを維持しながら、高性能、リアルタイム性能、豊富な機能、デジタル信号処理、低消費電力 / 低電圧駆動、およびコネクティビティを兼ね備えた製品を提供します。