品質は生産ラインが備える重要な基準の1つであり、生産プロセス全体で確保する必要があります。 このユース・ケースでは、焙煎装置を使用する例を検討します。 焙煎はコーヒー、ナッツ、その他の食料品に、目標とする風味を与える繊細な作業であり、精度、専門知識、一貫性が要求されます。 これまでこの業界を支えてきた従来型の焙煎装置に、今、人工知能(AI)などのテクノロジーが組み込まれはじめており、生産品質が驚くべき飛躍を見せています。 温度、湿度、焙煎時間などの変数を監視することで、AIが焙煎プロセスを継続的に分析し、リアルタイムで調整します。これが最終製品の品質を、比類のない精度と一貫性で最適化します。
アプローチ
このユース・ケースは
Kaggle社のデータセット「
Production quality(生産品質)」に基づいています。
目標は、各種変数に基づいて焙煎品質を予測することです。
焙煎装置は、5つのチャンバから構成され、各チャンバに3つの温度センサが取り付けられています。 装置に投入される原材料の層の高さおよび湿度を測定するセンサもあります。 したがって、センサ数は合計17個です。
この例では、品質を実験室で測定します。 AIモデルは、与えられた例に基づいて、センサ値と測定された品質の間の関係を理解します。 実験室で行われていた手動の測定作業に代えて、この関係から品質を予測できるようになるため、時間が節約されます。
データセットには、毎分記録されたセンサ・データ(17個のセンサのすべて)と、毎時判定された品質の値が含まれます。 ここでは簡単にするために、品質測定直前のセンサ・データのみに注目します。 もう1つのアプローチとして、すべてのセンサ測定値を連結する方法もあります。
次に、
NanoEdge AI Studioを使用して、17個のセンサから毎時得られるデータから、焙煎された製品の品質を予測できる、外挿プロジェクトを作成しました。
センサ
温度、湿度、変位センサ
データ
外挿対象生産品質
信号長17(マルチセンサー)
データレート毎時
結果
外挿:
90.81%の精度、0.1KバイトのRAM、189.8Kバイトのフラッシュメモリ