BiCMOS
高性能オプティカルIC & RF IC向けテクノロジー
近年、デジタル化の進展や人工知能(AI)の普及により、新たなデータ・センターの需要が急激に高まっており、今後も増加していくことが予想されています。近光ソリューションは、サーバ、スイッチ、ストレージ・ユニットなど、データ・センター・リソースの相互接続において重要な役割を果たします。また、AIクラスタ内のGPU間近距離接続にも使用されます。全体として、データ・レートの向上に伴い、より高性能なオプティカルICに対する需要が高まっています。
また、世界中に高速ブロードバンド接続を提供するために展開されている低軌道(LEO)衛星や5Gネットワークにより、高性能RFデバイスの必要性が高まっています。さらに、車載用レーダ、LAN RFトランシーバ(60GHz)、ポイント・ツー・ポイント無線(V-バンド / E-バンド)、セキュリティ、計装ソリューションなどの新たなマイクロ波アプリケーションは、厳しい動作条件における高いRF性能に加えて、チップの高集積化、消費電力の削減、コストの最適化も求められています。
こうした要求に最適なソリューションを提供するため、STはBiCMOSテクノロジーに積極的に投資しています。現在、STのBiCMOSテクノロジーは、世界中の最先端光モジュール、LEO衛星端末、無線基地局のほか、車載用レーダーや計装ソリューションなどに採用されています。
6Gの未来を拓くBiCMOS
X-TREME 6Gイニシアティブでは、STによる調整の下、17の企業、大学、研究センターがコンソーシアムを結成し、それぞれの専門知識を結集してヨーロッパにおける6Gの未来を描いています。STのBiCMOSテクノロジーはこの取り組みの要であり、次世代の大容量無線アクセス技術を実現する重要な鍵となります。
BiCMOS:2種類のプロセス技術
SiGe(シリコン・ゲルマニウム)BiCMOSは、2種類のプロセス技術の長所をワンチップで実現します。BiCMOSは、高周波アナログに重要な高速性と高ゲインを備えたバイポーラ・トランジスタと、複雑さが中程度の低消費電力ロジック・ゲートの構築に最適なCMOS技術という、2種類のプロセス技術の長所を1チップで実現します。
STのSiGe BiCMOS技術は、RF部、アナログ部、およびデジタル部を1チップ化することにより、消費電力を最適化すると同時に、外付け部品点数を大幅に低減します。
典型的な携帯電話基地局またはポイント・ツー・ポイント無線受信機
一般的な光ファイバおよびアクティブ光ケーブル・モジュール
STのBiCMOSプロセス技術は、集積度において大きな優位性をもたらすだけでなく、従来はガリウム・ヒ素(GaAS)などの高コストの技術でしか得られなかったレベルの性能をすでに達成しています。
BiCMOS HBT(Heterojunction Bipolar Transistor:ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ)は、特定の技術ノードにおいて、カットオフ周波数をバルクCMOSよりもはるかに高くすることができます。バルクCMOS設計で同等の周波数を実現するには、はるかに微細なプロセス・ノードを使用する必要があり、設計面で妥協を強いられるほか、多くの場合性能低下やコスト上昇につながります。
このように、代替技術と比較してコスト効率に優れたSTのBiCMOSを使用することで、幅広い使用用途が実現します。
BiCMOSプロセス技術をリード
STは、設計、アーキテクチャ、プロセス統合に関する優れたノウハウを活用し、高性能RF ICの設計を実現する最先端のSiGe BiCMOS技術を提供しています。
B55およびB55Xテクノロジーは、ヨーロッパの300mmウェハ工場で製造されており、量産に対応しています。
最適な設計・製造能力
STのBiCMOS設計プラットフォームは、極めて正確なシミュレーション・モデルを含め、完全かつ効果的な設計フローと最先端CADツールによってサポートされています。その効果は、多くの顧客の成功事例によって実証されています。
STは、製造委託サービスから、パッケージングとテストを含む幅広いASIC設計・開発・サポートサービスまで、さまざまなビジネスモデルによるBiCMOS技術の提供に対応できます。この柔軟性により、お客様のあらゆるニーズに対応する最適なソリューションを提供することが可能です。
さらに、BiCMOSテクノロジーで開発される各種アナログ、RF、およびデジタルIPに関する豊富な経験により、お客様の製品設計の簡略化と製品開発期間の短縮に貢献します。