シリコン・フォトニクス

ネットワーク・ハードウェアに接続された光ファイバ・ケーブル Fiber optic cables connected to network hardware

データ・センターやAIクラスタのデータ転送を高速化、効率化するクラウド光インターコネクトの未来を開く 

STは、AIや高速データ通信に対して高まる要求に応えるために、デジタル・インフラの強化に向けた取り組みを行っています。シリコン・フォトニクス(SiPho)技術は、シリコンベースの材料を使ってフォトニクス回路、つまり光でデータを伝送する回路の開発に使われます。光モジュール内の、より高速で効率的なデータ転送を実現するうえで有望視されています。

黄色と緑色のケーブルが使われた光ファイバ・ケーブル・コネクタ 黄色と緑色のケーブルが使われた光ファイバ・ケーブル・コネクタ 黄色と緑色のケーブルが使われた光ファイバ・ケーブル・コネクタ

データ交換を加速するプラガブル光トランシーバ

プラガブル・オプティクスに組み込まれた光トランシーバは、光信号と電気信号を相互に変換する重要な役割を果たします。コンピューティング・リソース、スイッチ、ストレージ間のデータ・フローだけでなく、サーバ間、データ・センター間のデータ伝送も加速します。

ST初の光集積回路PIC100をはじめとするST独自のシリコン・フォトニクス技術は、レーンあたり200Gbpsの通信速度を生み出す包括的な設計プラットフォームを提供します。このテクノロジーをさらに最適化して、データ・スピード、電力効率、小型化、容量、コスト効率の課題を解決し、800Gbpsおよび1.6Tbpsの次世代プラガブル光ソリューションを実現します。

高速光コネクティビティによるクラウドAIのスケーリング

データセンターで増大するコンピューティング需要への対応方法

AIインフラの拡大に伴い、データ転送の高速化ならびに高効率化のニーズが高まっています。生成AI、エージェントAI、大規模言語モデルの普及により、データセンターのインフラは転換期を迎えつつあり、帯域幅、遅延、消費電力、熱的制約が従来の電気インターコネクトの制限要因になり始めています。

次世代のAIデータセンターでは、高帯域幅インターコネクトは電気信号から光への移行が進んでいます。シリコン・フォトニクスは、拡張に必要な到達距離、帯域幅密度、bitあたり消費電力の削減を可能にし、2024年から2030年の間に、AIクラスタで使用される光コネクティビティに占める割合が43%から76%に成長すると予測されています(LightCounting社)。 

STのPIC100シリコン・フォトニクス・プラットフォームは、AIおよびクラウド・インフラ向けの高速光コネクティビティを実現することで、この移行を加速させます。 

PICプラットフォームについて

クロル工場で生産されたウェハ クロル工場で生産されたウェハ クロル工場で生産されたウェハ

PIC100は、大規模な変調、符号化、およびデータ伝送向けに設計された先進的なシリコン・フォトニクス・プラットフォームです。

現在量産中で、最大100Gbaudの速度と800Gb/s ~ 1.6Tb/sの光モジュールに対応する実証済みの基盤を提供します。

さらに、200Gbaudを目標とする次世代プラットフォーム「PIC200」を開発中です。

PIC100は、STのクロル工場(フランス)にある300mmファブで製造されています。2027年までに製造能力を4倍以上の規模に拡大する計画で、ハイパースケーラや光トランシーバ・メーカーに拡張性の高いシリコン・フォトニクス製造能力を提供しています。STは、統合型半導体メーカーとして、AWSとの複数年にわたる戦略的提携を含め、長期的な供給計画に対応するため、PIC100を自社で製造しています。

STとクラウドAIインフラ

STはクラウドAI時代の中核的なイネーブラーとして、AIデータセンターをメガワット規模からギガワット規模へと拡大し、より多くのデータをより効率的に、より少ないエネルギー消費で転送することを可能にするネットワーク・コネクティビティ、パワー・マネージメント、および熱管理技術を提供しています。

機器のインジケータが点灯する、最新データセンター内のサーバ・ラック 機器のインジケータが点灯する、最新データセンター内のサーバ・ラック

AIデータセンター内のネットワーク・コネクティビティ:各種スケーリング手法

AIインフラは、サーバまたはラック内のGPUやアクセラレータを密接に結合するスケールアップ、AIクラスタ内のサーバやラックを接続するスケールアウト、キャンパス、都市圏、または複数のデータセンターの間で異なるAIクラスタをリンクするスケールアクロスという、3種類のコネクティビティ・レイヤで展開されます。 

  • スケールアップ・ネットワークは、サーバまたはラック内のGPUやその他のアクセラレータ、メモリ、スイッチ・ファブリックを接続するもので、その距離は通常1メートルから5メートルです。その役割は、分散リソースを可能な限り単一の高性能システムのように動作させることです。スケールアップ・ネットワークには、超高帯域幅、超低遅延、高I/O密度、および送信bitあたりの消費電力(pJ/bit)の低減が求められます。アクセラレータの数と帯域幅需要の増加に伴い、電気I/Oが性能面と物理領域面でのボトルネックとなります。NPO(Near-Packaged Optics)とCPO(Co-Packaged Optics)は、より高い帯域幅密度と優れたエネルギー効率をコンパクトなサイズで実現し、これらの制約の克服に役立ちます。
  • スケールアウト・ネットワークは、AIクラスタ内のサーバやラックを接続するもので、その距離は10メートルから100メートル程度です。通常はEthernetベースのファブリックを使用して、分散トレーニングや分散推論に必要な大容量の東西トラフィックを伝送します。スケールアウトでは、モジュール性、保守性、到達距離が重視され、通常はプラガブル光トランシーバを使用して、フロア内または建物間でスイッチやサーバを接続します。
  • スケールアウトを超えるスケールアクロス・ネットワークは、単一のクラスタやサイトを超えてコネクティビティを拡張するもので、その距離は数キロメートルから数百キロメートルに及びます。複数のデータセンター間で異なるAIクラスタを接続してネットワークを拡張することで、より大規模な論理コンピューティング・ドメインを形成します。スケールアクロス・ネットワークは、電力、スペース、または容量の制約により、ワークロードを物理的に離れた場所に分散させる必要がある場合に使用されます。通常、管理可能な遅延と運用上の柔軟性を維持するために、長距離光インターコネクトに依存します。

クラウド・インターコネクトにおける光ファイバの役割の拡大

現代のクラウドやAIファクトリは何千基ものGPUを接続して構築されており、演算性能と同じくらいネットワーク性能が重要になっています。

現在、銅線はラック内の短い接続には有効ですが、通信の高速化や長距離化が進むと、信号損失、消費電力、発熱が電気インターコネクトの制約になります。

そのため、ハイパースケーラはAIクラスタやデータセンター内に光ファイバ・ベースの光リンクを拡張しています。光コネクティビティは、800Gb/sや1.6Tb/sなどの高帯域幅スケールアウト・ネットワークの展開をサポートします。

サーバ・キャビネット内の光ファイバ・ケーブルとネットワーク・ハードウェア サーバ・キャビネット内の光ファイバ・ケーブルとネットワーク・ハードウェア サーバ・キャビネット内の光ファイバ・ケーブルとネットワーク・ハードウェア

STの光エンジン向け技術ポートフォリオ 

GPUやスイッチ、サーバは、データを電気信号として処理・転送します。プラガブル光トランシーバは、これらの信号を光に変換して光ファイバを介して伝送し、受信側で電気信号に変換します。

これらのモジュールは、電気的コンピューティング・インフラと高速光ネットワーク間のリンクを形成します。帯域幅、到達距離、および電力密度の要件が高まり続ける中、光エンジンはシステム・レベルの性能要件を満たす上で極めて重要な役割を果たします。

STは、光学機能用のシリコン・フォトニクス、電気シグナル・コンディショニング用のBiCMOS、制御用のマイクロコントローラなど、光エンジン内で使用される各種テクノロジーを提供しています。この幅広い技術ポートフォリオは、トランシーバ・メーカーによる迅速な製品化に貢献します。

光および電気信号に接続される光および電子部品を示す光トランシーバ図 光および電気信号に接続される光および電子部品を示す光トランシーバ図 光および電気信号に接続される光および電子部品を示す光トランシーバ図

PIC(光集積回路)はモジュールの光コアで、光変調、導波路、光検出などの機能を統合し、電気データと変調光との変換を可能にします。ST独自のPIC100シリコン・フォトニクス・プラットフォームは、レーンあたり200GbpsのPAM4動作用に設計されており、次世代の800Gb/sおよび1.6Tb/sのプラガブル・トランシーバをサポートします。

ST独自のシリコン・ゲルマニウム技術「BiCMOS B55X」は、送信側のレーザ・ドライバと受信側のインピーダンス変換用アンプを含む、PICに対する高速 電気インタフェースを提供します。超高速光リンクに必要な帯域幅、シグナル・インテグリティ、電力効率を提供するように設計されています。優れたリニアリティにより、リニア・プラガブル・オプティクスに最適で、DSPの必要性を減らすことで電力効率を向上させるアーキテクチャを実現します。

STM32H5などのSTM32マイクロコントローラは、モジュール設定、モニタリング、診断、およびシステム管理機能を提供し、ソフトウェア・ツール、開発環境、長期供給体制を含む広範なSTM32開発エコシステムによって支えられています。

現在:プラガブル・オプティクス

プラガブル・オプティクスは100Gb/sと400Gb/sをサポートし、800Gb/sおよび1.6Tb/sへの拡張も進んでいます。フロント・パネル・モジュールによる高いモジュール性と柔軟性を備え、スケールアウト接続用途に広く採用されています。

フェーズ2:NPO(Near-Packaged Optics)

NPOは、ホスト基板上のプロセッサに光エンジンを近づけることで、電気経路を短縮します。それにより、帯域幅密度とエネルギー効率が向上し、スケールアップ・ネットワークのニーズにより適切に対応できます。

フェーズ3:CPO(Co-Packaged Optics)

CPOは、プロセッサと同じ基板上に光エンジンを統合します。このアプローチでは、TSV(Through-Silicon-Via)などの先端パッケージ技術を使用して、電力効率とデータ密度のさらなる向上を図り、最も要求の厳しいスケールアップ・アーキテクチャや高密度アーキテクチャにおいて、3.2Tb/s以上の実現を目指します。

The future of optical connectivity

データセンター・トラフィックの増加が続く中、光インターコネクトの採用が進んでいます。アーキテクチャは高帯域幅化、電力効率化、高集積化という3つの重要な要件への対応に向けて進化しています。

プラガブル・モジュールからNPO、CPOへと段階を追うごとに電気経路が短縮され、光データ伝送がプロセッサに近づいていきます。

The future of optical connectivity

データセンター・トラフィックの増加が続く中、光インターコネクトの採用が進んでいます。アーキテクチャは高帯域幅化、電力効率化、高集積化という3つの重要な要件への対応に向けて進化しています。

プラガブル・モジュールからNPO、CPOへと段階を追うごとに電気経路が短縮され、光データ伝送がプロセッサに近づいていきます。

現在:プラガブル・オプティクス

プラガブル・オプティクスは100Gb/sと400Gb/sをサポートし、800Gb/sおよび1.6Tb/sへの拡張も進んでいます。フロント・パネル・モジュールによる高いモジュール性と柔軟性を備え、スケールアウト接続用途に広く採用されています。

フェーズ2:NPO(Near-Packaged Optics)

NPOは、ホスト基板上のプロセッサに光エンジンを近づけることで、電気経路を短縮します。それにより、帯域幅密度とエネルギー効率が向上し、スケールアップ・ネットワークのニーズにより適切に対応できます。

フェーズ3:CPO(Co-Packaged Optics)

CPOは、プロセッサと同じ基板上に光エンジンを統合します。このアプローチでは、TSV(Through-Silicon-Via)などの先端パッケージ技術を使用して、電力効率とデータ密度のさらなる向上を図り、最も要求の厳しいスケールアップ・アーキテクチャや高密度アーキテクチャにおいて、3.2Tb/s以上の実現を目指します。

イベント予定

高帯域

このテクノロジー・プラットフォームは、モジュレータとフォトダイオードで、それぞれ50GHzおよび80GHzを超えるバンド幅に対応します。

高エネルギー効率を実現する革新的な技術スタック

特許取得済みの技術スタックには、SiおよびSiN(窒化シリコン)によるサブdBの極めて低損失の導波管と、低損失のエッジ・カプラなどが含まれます。

将来のヘテロジニアス統合

STのシリコン・フォトニクス技術では、さらに高速のモジュレータを開発するために、異なる種類の素子を組み合わせることができます。半導体光アンプ(SOA)とレーザの集積化も可能です。

このような技術革新が、将来の3.2Tbpsプラガブル・オプティクスに必要なレーンあたり400Gpsのモジュール実現への道を開きます。 

AIクラスタに使用される新しいタイプの光接続に対応するため、小型モジュレータの新製品ラインを開発中です。これらの製品は、現在AIクラスタのラックに多数張り巡らされている銅線ケーブルによって生じる輻輳を緩和します。シリコン・フォトニクス回路のコンパクトな設計と、光学部品の同一パッケージへの集積化(CPO)により、電気-光デバイスが小型化されます。銅線ケーブルから光ケーブルへのスケールアップが、AIクラスタの導入を加速し、将来の成長を促します。

シリコン・フォトニクスの進歩にTSVテクノロジーが果たす役割 

TSV(Through-Silicon-Via)は、シリコン・フォトニクスおよびCPO(Co-Packaged Optics)の進歩に欠かせないテクノロジーです。シリコン基板内で垂直方向の直接相互接続を可能とし、光学部品と電子部品のより効率的な集積化を実現します。

TSVによる垂直方向相互接続の高密度化と、シリコン・フォトニクスによるデータ転送の高速化の組み合わせが、システムの高効率化、小型化につながります。 

シリコン・フォトニクスとBiCMOS:
ハイパースケーラのバックボーン

STの次世代BiCMOSおよびシリコン・フォトニクス技術の融合が、ハイパースケーラに必要な800Gbpsおよび1.6Tbpsソリューションを実現します。

  • シリコン・フォトニクス技術は、複数の複雑な部品をワンチップに集積化します。
  • BiCMOS技術は、光トランシーバの中心となる構成要素として、優れた遮断周波数とゲインを備えた最適なアナログ回路を可能とします。

これらのSTの独自技術により、光インターコネクトの性能とエネルギー効率を向上させることができます。

ランプが点灯するデータ・センター内のサーバ・ラック ランプが点灯するデータ・センター内のサーバ・ラック

高度な自社製造プロセス

シリコン・フォトニクスとBiCMOS技術による製品は、STのクロル工場(フランス)にある300mmラインにおいて、先進リソグラフィを使用して生産され、デジタルCMOSのカテゴリで高い製造歩留まりを誇ります。世界的な統合型半導体メーカー(IDM)として、STはその価値を自社の製造プロセスより生み出し、他社に依存することなく、お客様の需要を確実にサポートします。

クリーンルーム環境でコンピュータを操作する防塵服を着た技術者 クリーンルーム環境でコンピュータを操作する防塵服を着た技術者 クリーンルーム環境でコンピュータを操作する防塵服を着た技術者

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