人工知能(AI)は、人間の行動認識の精度に革命をもたらし、組込みAIが、それらのアルゴリズムをどこにでも組み込めるようにしました。しかも個人情報を開示することなくローカルで実行でき、スマートウォッチやリストバンドなどの機器に組み込めます。
このユースケースは、こうしたアプリケーションを開発していて、消費電力について心配している人に最適です。ジム・アクティビティ認識ユースケースは、ウェアラブル機器のフィットネス事例として役立ち、 ST MEMSセンサに搭載された機械学習コア(MLC)により、バイセップ・カール、ラテラル・レイズ、スクワットなどの活動をいずれも超低消費電力で認識します。
アプローチ
- Profi-MEMSボード(STEVAL-MKI109V3)とLSM6DSV16X DIL24アダプタ・ボード(STEVAL-MKI227KA)を使用すると、またはMEMS Studioを通じてデータ・ログを収集できます。
- SensorTile.box PROワイヤレス・ボックス・キットとAndroidまたはiOS用STBLESensorアプリを使用して、データ・ログを収集することも可能です。
- 加速度センサの入力データには、ローパス・フィルタ(IIR1)を適用しています。
- Unico-GUIを使用して、平均、ピークツーピーク、最小値、最大値の4つの特徴を持つディシジョン・ツリー・モデルを生成し、設定しました。
- MLCは30Hzで動作し、90サンプル(3秒に相当)の期間で特徴を計算します。
センサ
データ
このアルゴリズムのセンサの向きは、ENU(East-North-Up)です。
- Xは腕に平行(左手首の場合は手に近づき、右手首の場合は手から遠ざかる向き)
- Yは腕に垂直(デバイスを見たときにユーザから遠ざかる向き)
- Zは上向き
このアルゴリズムをディシジョン・ツリーで実装するために、左手(または右手)のリストバンドに装着したデバイス(LSM6DSV16X)を使用してすべてのデータ・ログを収集しました。
結果
ディシジョン・ツリーには約 30個のノードがあり、さまざまなクラスを検出できるように構成されています。
ディシジョン・ツリー分類器の出力は、レジスタMLC1_SRC(70h)に保存されます。
- 0 = 活動なし
- 4 = バイセップ・カール
- 8 = ラテラル・レイズ
- 12 = スクワット
この構成では、レジスタMLC1_SRC(70h)が新しい値で更新されるたびに、INT1ピンに割込み(パルス、アクティブハイ)が生成されます。
この構成での割込みパルスの持続時間は 33.3msです。
モデル作成ツール MEMS-Studio
スマート・センサでAI機能の活用を可能にするデスクトップ向けソフトウェア・ソリューションです。これにより、ユーザはデータの分析、組込みライブラリの評価、MEMSセンサの全ポートフォリオに対するノーコード・アルゴリズムの設計が可能になります。
対応製品 LSM6DSV16X
センサが取得したデータを直接処理し、ホスト・デバイスに有意義な処理済みの有意義な情報も提供できるスマート・センサ。スマート・センサは、データのローカル処理によって生データ送信とクラウド処理を不要とすることで、システム・レベルでの消費電力を削減します。