人工知能(AI)は、人間の行動認識の精度に革命をもたらし、組込みAIが、それらのアルゴリズムをどこにでも組み込めるようにしました。しかも個人情報を開示することなくローカルで実行でき、スマートウォッチやリストバンドなどの機器に組み込めます。
このユースケースは、こうしたアプリケーションを開発していて、消費電力について心配している人に最適です。ジム・アクティビティ認識ユースケースは、ウェアラブル機器のフィットネス事例として役立ち、
ST MEMSセンサに搭載された機械学習コア(MLC)により、バイセップ・カール、ラテラル・レイズ、スクワットなどの活動をいずれも超低消費電力で認識します。
アプローチ
センサ
センサ・フュージョンとハイエンド・アプリケーション向けQvarを搭載した6軸慣性測定ユニット(IMU)とAIセンサ(リファレンス:
LSM6DSV16X)。
データ
加速度センサは、最大測定範囲
±8g、出力データレート30Hz、低電力モード1に設定しました。
このアルゴリズムのセンサの向きは、ENU(East-North-Up)です。
- Xは腕に平行(左手首の場合は手に近づき、右手首の場合は手から遠ざかる向き)
- Yは腕に垂直(デバイスを見たときにユーザから遠ざかる向き)
- Zは上向き
このアルゴリズムをディシジョン・ツリーで実装するために、左手(または右手)のリストバンドに装着したデバイス(LSM6DSV16X)を使用してすべてのデータ・ログを収集しました。
結果
消費電力(センサ+アルゴリズム):
16.5uAディシジョン・ツリーには約
30個のノードがあり、さまざまなクラスを検出できるように構成されています。
ディシジョン・ツリー分類器の出力は、レジスタMLC1_SRC(70h)に保存されます。
- 0 = 活動なし
- 4 = バイセップ・カール
- 8 = ラテラル・レイズ
- 12 = スクワット
この構成では、レジスタMLC1_SRC(70h)が新しい値で更新されるたびに、INT1ピンに割込み(パルス、アクティブハイ)が生成されます。
この構成での割込みパルスの持続時間は
33.3msです。